逃げ癖

僕はいつから夏を楽しめなくなってしまったんだろうか。

去年と同じく部屋の中で怠惰な日々を貪っている。

 

就職活動を終えて卒業するための単位を取る、という最低限の目標さえクリアできればこの半年は及第点と言えるのかもしれない。

しかし時間を無駄にしてしまっている罪悪感が常につきまとっている。

 

自分に何か生産的なものを生み出す能力があれば、こんな怠惰な生活にはならなかったはず。

例えば幼少期から音楽に触れていて、好きな曲を自由に弾くことができたり
時には作曲なんてことができればクリエティブな毎日になったことだろう。

 

ただ、芸術活動のような特別なものでなくとも、例えば新しくバイトを始めてみるのも一つの手だっただろう。

一応3社ぐらい面接を受けて2社には合格をもらえたが、スタート直前で何だか希望を失ってしまい自ら辞退してしまった。

なんだかんだこの何も強制されずに過ごせるニート生活にしがみつきたかったのだろう。

 

他には、幼少期からの友人から一緒に何かビジネスをやらないかと誘われた。別に怪しい勧誘とかではなく、2人でゼロから何かやろうという提案だ。

これもきっと全力で取り組めば形にできないことはないだろう。しかしバイトを辞退してしまうような自分に果たしてそんな気概があるのか。

 

7月中旬に就活を終え、それからの1ヶ月半でたくさんのチャンス、分岐点があったように思う。しかし僕はそれらをことごとく自らの意思で手放してしまった。

未来のことなんて何も分からないのに、なんとなく想像できてしまう結末が嫌になって逃げ出したくなる。最近はその繰り返しだ。

 

mbtiという心理テストで僕はINFPという結果が出たが、一言で表すなら「理想主義者」らしい。これだけだと聞こえが良いが、要は「脳内お花畑の現実逃避者」だ。

高すぎる理想を自らに課しているせいで、いつまでも現実が追いつかずに満足できないでいる。

本当に理想を実現したいのならば、日々、着実にやるべきことをやって一歩一歩進んでいくしかない。その泥臭さから逃げていては何も変わらない。

 

これまでは自ら変わるチャンスを手放してしまっていたが、次こそは飛び込んでみようと思う。部屋の中に閉じこもってフィクションばかり眺めていても、その先には虚無しかない。改めて自分の人生を生きるのだ。