マチネの終わりに
たまたま寄り道した本屋で見つけた本。
深く考えさせられる内容だった。
40代の男と女の叶わぬ恋を描いた物語。
天才ギタリストと記者という一般人とは違う世界にいる2人なのに
2人の心情に共感できた。
この本から何を感じたのか。学んだのか。
「未来は常に過去を変えている」
これが物語の根幹を成すメッセージである。
当たり前のように思えて、考えたことのなかった概念。
今の喜びや悲しみが、未来によって書き換えられる。
「あの時の自分はどうかしていた」
と思う反面、たしかにあの時はそれが全てで、充実していた。
未来のことに思いを馳せることが多いが、
どうせ未来が現在を変えてしまうのなら
今を楽しく生きることが正解ではないか。
自分で書いていて、よく分からない。
この物語で何度も感じたのは、妥協と理想の狭間で揺れる感情。
最愛の人と結ばれることは理想であり、幸せなのかもしれない。
でも、理想ではないが今の選択にも幸せを感じている。
その中で、理想に執着すべきなのか。
いっそ捨ててしまうべきなのか。
ただ、簡単に理想を捨てることはできない。
まだ若い自分には、ベターを選ぶかベストを選ぶか
その選択が先の自分に何をもたらすのか、分からない。
だからこそ、時間のあるこの日々で
何をすべきなのか分からないでいる。